アベノミクスによるデフレからの脱却

アベノミクスはデフレからの脱却を目指し、2%のインフレを目標に適正な物価水準へ向かおうとしています。日本の円の供給が増えるわけですので、円の価値が相対的に下落し、今後は大幅な円安へ向かうことが予想されております。

ただ、このアベノミクスが労働者の雇用環境へ与える影響につきましては、未知数なものが多く残されており、円安によって企業の株価が回復傾向にはありますが、業績が回復して雇用や給与へとお金が回っていくのには時間がかかるものです。

また、低所得者層の労働者にとってみれば、円安で日常生活のコストが増大し、はやくも小麦や電気料金、あるいはガソリンなどの負担が大きくなってきているわけです。加えて、消費税も来年の春には上昇する予定となっております。

一方、ある程度の資産を保有している中所得者層の側からすると、アベノミクスによる株高で資産を倍増した方も増加しています。高所得者層はさらに豊かになる一方、低所得者層の負担がさらに厳しさを増していく状況となっているわけです。今後、格差社会が加速することになると考えてもよいかもしれません。

加えて、市中に流通している円はすでにじゃぶじゃぶの状態にあるわけですので、今後、大幅な金融緩和政策をとったとしましても、一般の労働者の給与まで行き届くのかには疑問があるという方もいます。

大手企業の正規雇用の労働者においては、すでに賃金もアップされてきているようですが、いわゆるワーキングプアと呼ばれる低所得者層においての雇用環境は依然として厳しさを増していくものと思われます。
さらに、円安により円の価値が下落することにより、貯金や年金で生活している高齢者にとっても、実質的な負担増といってもよいでしょう。

半年、あるいは一年後、企業の業績が回復し、若者の雇用環境が改善されているとよいですが、はたしてどうなるのでしょうか?失われた20年を取り戻せることができるのか、アベノミクスに期待がかかっておりますが、消費税の景気条項などもありますし、参院選挙の時期以降も株高の状態がつづのかどうかに注目していきたいです。